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七年待って出会えた、樒(しきみ)の初花に寄せて

  • 執筆者の写真: prayersmarket
    prayersmarket
  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

庭の隅に樒(しきみ)の小さな苗を植えたのは、今から七年ほど前のことでした。


「樒は、苗から育てると花が咲くまで数年はかかりますよ」

そんなお話を聞いてはいましたが、めぐる季節の中で青々と茂る葉を眺めながら、その時を静かに待ち続けてきました。


そしてこの春。

葉の影にひっそりと、でも確かに、白く可憐な花が顔を見せてくれました。

七年目にして初めて出会う「初花(はつはな)」です。



これまで写真や図鑑では何度も目にしてきた樒の花。

けれど、実際に庭で陽の光を浴びて、風に揺れる本物の質感は、どんな映像よりも静かな生命力に満ちていました。

ようやく出会えたその姿を目の当たりにしたとき、これまでの月日が愛おしく、思わず胸が熱くなるのを感じました。


樒は、古来より日本の仏教において非常に深い関わりを持つ植物です。

その独特の清涼感ある香りは、場を清め、邪気を払うと言い伝えられてきました。


私たち「草花の葬儀社」がお手伝いする仏教葬の場でも、この樒は欠かせない存在です。

お坊様が座られる経机の上には、必ず一枝、樒を生けさせていただきます。

その一葉一葉に、故人様への祈りと、残された方々の想いを託す。

それは、私たちが大切にしている儀式の一つでもあります。



七年という歳月をかけて咲いたこの一輪の花は、私に「待つことの大切さ」と「命の巡りの尊さ」を改めて教えてくれた気がします。


庭に宿る、この小さな祈りの白。

今日という日の静かな感動を胸に、これからも皆様の心に寄り添うお花を届けてまいりたいと思います。

 
 
 

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